ただひたすら無言で、夢中で口付けを交わす。
舌を絡めるキスが、こんなに気持ちいいなんて。
葵の口付けに酔っていた私の身体が、私の意思とは関係なくビクリと跳ねた。
「ん、ん……!」
くぐもった声が吐息と一緒に葵の口内に吸い込まれる。
葵の手が、下着の上から優しく私の胸に触れていた。
そのまま少しずつ力を込めて、やんわりと揉まれるとくすぐったいような焦れったい感覚が腰の辺りから足先へと駆け抜ける。
「んん……っは、あっ」
葵が急に唇を離したものだから、鼻にかかった声が大きく部屋に響いてしまって、途端に恥ずかしくなる。
思わず涙目で口元を押さえるが、葵は容赦なく胸を攻めてくる。
下着を指でずらし、直に素肌に触れられてまた声が出そうになった。
必死で堪える私を嘲笑うかのように、葵は今まで片手だった胸への愛撫を両手に切り替えた。
不意に胸の蕾を指で挟まれて、喉の奥から悲鳴がせり上がる。
「んくっ!んーっ」
苛烈な責めとは裏腹に、葵の顔に浮かんでいるのは優しい、慈しむような微笑。
胸元への手は止めずに、葵は私の耳元へ口を寄せ ―――
「ひぁんっ!」
耳の中に、ぬるりと葵の舌が入り込んできて。
私はついに声を上げた。
やだ、今の……本当に私の声なの?
恥ずかしい……!!
「ん、や……葵……」
それでも葵は執拗に耳を舌で嬲る。
「お前の声、可愛い」
耳たぶを甘噛みしながら囁かれて私は息を飲む。
「……もっと聞きてえ、千歳……」
心なしか、葵の声も上擦っているようで。
私は、口元に当てていた両手を葵の首に回した。
「っふ……ぁ、葵……」
「千歳……っ」
熱い吐息が首筋にかかり、葵の余裕のなさを物語る。
やがて胸を弄んでいた手が脇から腰、太股へと緩やかに移動を始めて……
「あ……」
すでに潤っているそこへ辿り着いた。
下着の上からでも濡れているとわかるそこを掠めるように一撫でして、葵が目を細めて私を見た。
「感じてくれたんだな、千歳……」
「……葵だから……」
真っ赤になりながらも、私は精一杯の想いを込めて葵に微笑んで見せる。
葵は答える代わりに、甘い口付けをくれた。