(!!)
今までで一番、凶悪な葵かもしれない、と。
千歳は密かに冷や汗を流す。
こんな風にされてしまったら、素直になるしかなくなるじゃないか。
「さっき言ったろ。ガキみてえなやり方はもうやめだ」
そう言われてしまえば、千歳も納得せざるを得ない。
一足早く、大人への階段を上り始めた葵。
(夢見る時間は、もう終わり……かしら)
どんな想像よりも優しい葵の声。手の温もり。
(夢よりずっと素敵なものを手に入れたんだものね)
「なあ、千歳」
言いながら強く抱きしめてくる葵にやや驚き。
こういう所はまだ子供かしら、と少し笑いながら
「何よ」
と返せば。
「好きだ、千歳」
淀みのない口調で葵はキッパリと言った。
態度で示してから告白だなんて、なんて葵らしいのだと。
笑い、彼の背に手を回しながら千歳は幸せそうに呟いた ―――。
「順番が逆よ、馬鹿……」
(了)
あとがき?
結局、一気にアップしちゃいましたw
二人とも、というか秀一やわぴこも少し大人っぽいですが、一応設定は中学3年です。
卒業が見えてきて、みんながバラバラになるかもしれない、4人でワイワイ出来る時間が短いことをみんなが知っていて、しかし口にはしない……という。
なので少し大人っぽい考え方とかしてると思います(^_^;)
まだまだ書きたい葵×千歳はたくさんありますので、頑張って書いていきますね!
ここまで読んで下さった方、本当にありがとうございます!